〜吹田の老舗・松竹堂がこだわり続ける理由〜“安心安全なフルーツ餅”
今回は大阪・吹田にある松竹堂を訪ねました。
1889年創業の老舗ながら
“フルーツ餅”
という新しい切り口で
話題を集め続ける和菓子店。
その歴史やこだわりを徹底取材しました。
・創業1889年、長い歴史の中で辿り着いた看板商品
「フルーツ餅」
・アレルギー表示の徹底や素材選びに見る、
安心安全への配慮
・先代と5代目の“親子ならでは”の衝突と歩み寄り
・地域に根付く活動への想いと、
練り切り教室での新たな挑戦
取材先 | 松竹堂 吹田山田本店 |
---|---|
所在地 | 大阪府吹田市山田東2-36-2 |
定休日 | 水曜日 |
HP/SNS |
先代が生んだ看板商品
~フルーツ餅のはじまり~

今でこそフルーツ大福は全国的に有名ですが、
うちでは40年ほど前から作っていました
大阪・吹田にある松竹堂の看板商品といえば、
色とりどりの「フルーツ餅」。
イチゴやマンゴーなどの定番から
季節限定品まで、その 多彩さが目を引きます。
実はこれ、先代が 約40年前から
取り組んできたオリジナル商品。
「 いちご大福 」から始まり、
季節のフルーツに合わせて
アレンジを加えてきた結果、
現在の豊富なラインナップが生まれたのだそうです。
和菓子店への転換
~3代目からの大きな舵取り~
松竹堂は、1889(明治22)年に
食料品店の一角として
甘味を扱い始めました。
その後、 3代目 が本格的に
“和菓子店”として軸足を移し、
現在に至るまで多くの地元客に愛されています。
和菓子の需要を後押しした要因だと語ります。
創業以来の歴史を背景に、
4代目・5代目と続く中で
フルーツ餅を
看板商品に育て上げたというのが、
現在の松竹堂の姿です。
“安心安全”へのこだわり
~アレルギー対応と素材選び~

私自身がアレルギー持ちなので、
同じ悩みを抱える人に
お菓子を楽しんでほしいんです
アレルギー表記の徹底
ショーケースを覗くと、
各商品に アレルギー表示 が細かく貼られています。
乳製品や卵などを使わないレシピを
積極的に取り入れることで、
より多くの人が安心して選べる
お菓子作りを目指しているのが特徴です。
代替素材の開発
美味しさが損なわれないように工夫しています
勝成さんによれば、
素材選びから徹底して
アレルギー要因を排除し、
代わりに風味や味わいを補う技術を
研究しているといいます。
先代のデザイン力
~フルーツ餅の遊び心~
帽子やマフラーで季節感を表現
松竹堂のフルーツ餅は、
味だけでなく見た目にもこだわっています。
たとえば、 雪だるま型の上生菓子には
しっかりとした帽子やマフラーがついていて、
可愛らしく仕上げられています。
多くのデザインは先代が考案し、
そこに5代目の新しいアイデアが
加わることで、季節を感じさせる
鮮やかなバリエーションが生まれています。
衝突と和解
~親子で紡ぐ老舗の未来~

先代のプライドと、僕の考える現代のやり方。
最初は衝突も多かったですね
東京での修行と経営改善
東京の製菓学校を卒業し、
都内での修行を経て戻ってきた5代目。
機械操作や衛生管理、
会計ノウハウを学び、
余談
実は自作PCを作ったりするほど、
機械が得意そうです
実家に新たな風を吹き込みました。
- 原価計算の見直し:人件費・光熱費・材料費から販売価格を算出
- 製造工程の最適化:無駄を減らし、より効率的な生産体制を構築
この経営改革で売り上げが伸び、
安定した運営が実現した一方、
先代との“やり方の違い”から
意見がぶつかることもしばしばあったそうです。
互いを尊重して生まれる“最高のフルーツ餅”
どっちも目指すのは“美味しさ”
と“見た目の楽しさ”なんですよね
親子ならではのぶつかり合いも、
最終的には
「 顧客に喜ばれる和菓子を作りたい 」
という
想いに落ち着きました。
先代の経験とプライド、
5代目の知識と技術が合わさることで、
今ではより多彩で魅力的なフルーツ大福が
生まれているといいます。
和菓子を広める取り組み
~練り切り教室など~
年間を通じて、地域の方々に和菓子の魅力を知ってもらうため
の練り切り教室やイベントも開催しています。

自分で木を削って道具を作ることもあるんです。
手先を動かす楽しさを、もっと広げたいですね
職人気質を活かし、
細やかな作品を生み出すだけでなく、
地域に開かれた教室を続けることで、
老舗ならではの技術と想いを次世代に伝えています。
店舗情報・購入方法
松竹堂の「フルーツ餅」は、
見た目にも華やかで贈り物にもぴったり。
アレルギー表記もしっかり管理されているので、
安心して選ぶことができます。
ぜひ一度、老舗の奥深さと
新しさを体験してみてください。
まとめ
創業から130年以上の歴史を持ちながら、
新感覚の「フルーツ餅」
で地元客や
遠方からのファンを魅了している松竹堂。
自らもアレルギーを持つ5代目が
「誰もが安心して食べられるお菓子」
を追求し、先代と衝突しながらも
力を合わせて
理想の店づくりを
進めている点が印象的でした。
「おいしさ」×「見た目の楽しさ」
にこだわる老舗和菓子店の挑戦は、
これからも多くの人の 心をつかみ続けることでしょう。
季節替わりのフルーツ餅はもちろん、
イベント時期には 限定デザイン も登場。
和菓子好きの方は、こまめにチェックすると
新たな味に出会えるかもしれません。
ぜひ足を運んでみてください。